子からカミングアウトされたら、親はどう対応するか
とある親御さんからこのような、何ともあたたかくも嬉しい質問を頂きましたので、家族には“カミングアウトしない選択”をしているゲイ当事者の私なりの返答をしたいと思います。
何も言わずに抱きしめてあげて
きっとお子さんはその時、とてもとても不安な気持ちを胸にお母様・お父様の前に座っています。でもそれは、自分が傷付くことを恐れているだけではないことに気付いて欲しいと思います。期待通りの子供でなくてゴメンね、願いを叶えてあげられなくて申し訳ない、と、お母様・お父様を傷付けるのではないか不安になっている気持ちが大部分かも知れないのです。
「僕はゲイなんだ」「自分はレズビアンなんだ」の言葉に、
「でも自分はあなたたちの子供なのは変わりなく、あなたたちの元に生を授けてもらえて感謝しています。
心から愛してます」
という声に出来ない言葉が詰まっていることにも耳を傾けて欲しいと思うのです。
そんなとき、これを読んで下さっているお父様方、どうかお願いです。本やメディアに載っているLGBTの心境を理解しようとするのを止めて、まず、目の前にいる、あなたの“お子さんの気持ち”と向き合って、何も言わず黙って抱きしめてあげて頂けませんか?
そんなとき、これを読んで下さっているお母様方、どうかお願いです。世の中に出回っているLGBTの断片だけを拾い集めるのを止めて、目の前にいる、あなたの“お子さんの声”に耳を傾けて差し上げ、何も言わずあたたかく抱きしめてあげて頂けないでしょうか?
あとは何も要りません。
LGBTをはじめとするセクシュアリティは現在本当に多様化していて、当事者である僕たち自身でさえ「よく分からない」ことが多過ぎるのが現状です。それはきっともう、ゲイだから・ビアンだから・ストレートだから・◯◯だからという言葉が何の意味も持たない社会が近付いているのではないかと、少なくとも僕は思っています。リアルなLGBTのことを多くの方々に知って頂きたい、そう思って僕もここでライターをさせて頂いています。
目の前にいるその人を、その子どもを、セクシュアリティなんてよく分からなくなるくらい、”その人”として、1人の人として、見つめ抱きしめてあげてもらえれば…。そう切に願っています。
参考記事
– 感動必至!”母をナメるな!”あるゲイのカミングアウトストーリー