マルチタレントIVANとLGBT成人式
モデル、タレント、ミュージシャン、舞台など幅広く活躍しているIVANさん。
かつてメンズモデルとしてパリコレにも出演したIVANさんは、2013年に自身がトランスジェンダーであることをメディアでカミングアウト。それからさらに大ブレイクし、今最も注目されているLGBTの一人です。
昨年、特定非営利活動法人ReBit主催の2014年度LGBT成人式にトークショーゲストとして出演。幼少期の思い出、家族や友人との心あたたまるエピソード、そしてつらい差別の経験と前に進んで行く強さを語り、会場をおおいに沸かせました。
そんな彼女が先日行われた2015年度LGBT成人式に、なんと自らスペシャルゲストとして登場。
この記事では、出演直前のIVANさんのインタビュー、そしてサプライズでステージへと現れた際の様子をお送りします。
サプライズ出演直前!楽屋インタビュー
楽屋に入った瞬間、眩しいほどの笑顔で挨拶をしてくださったIVANさん。今日の衣装は私服で、ファッションテーマは清楚系とのこと。
—今回2年連続での出演となりますが、前回LGBT成人式に出演されていかがでしたか?
「オファーをいただいた時点ですぐに協力したい!と思いました。自分も新成人として参加したいようなイベントだったので、まさかゲストで出させていただけるとは!って、本当に嬉しかったです。
実際に出演した時、共感し合える輪に入れたという感じでした。なんだかホームに帰って来れたというか。そんな気持ちでした。」
—前回出演されて特に印象的だったことはなんですか?
「ステージから見えた観客席の皆さんのお顔がすごくイキイキしてたことです。それぞれ思い思いに着て来た、とびきりの晴れ姿で、本気の自分で来ているのが伝わって来て、皆さん素敵だなって思いました。
私、皆さんから『勇気をもらえた』って言っていただけたんですけど、逆に私自身も勇気をもらえたので、今回も自分から出たいって言ったんです。」
—LGBT成人式への出演で、IVANさん自身に起きた変化はありましたか?
「LGBTの先頭をきっていかなきゃな、というか、私みたいな同じ境遇の人がいる中でのリーダーになりたい、ならなきゃとか、そういう責任感が生まれましたね。気が引き締まりました。私が先頭を走って、みんなと一緒にもっともっとLGBTの、日本でまだタブーになっているところを変えていきたいって思いました。
それと、成人式の後にちょうどミュージカル『RENT』のエンジェル役が決まって、すごく嬉しかったですね。お仕事の面も含めて、LGBT成人式から広がったことってすっごく大きかったです。」
—今、会場に集まっている方々はこれからIVANさんが登場されることを知らないわけですが、率直な今のお気持ちは?
「ドキドキしてます♡」
そう言ってはにかんだ微笑みを見せた後、
「みんなに会えるのが楽しみです、すっごく。」
と、まっすぐにこちらを見つめて言葉を紡いだIVANさん。そのまなざしには、このイベントへの真摯な想いが輝いていました。
「好きなように生きていってほしい」
いよいよ2015年度LGBT成人式が開幕。司会挨拶が終わると、突如、ここでスペシャルゲストが来ているというアナウンスが。会場に期待と緊張の空気が走ります。
「それでは登場していただきましょう、スペシャルゲストのIVANさんです!」
司会者の声がかかり、小走りにステージに現れたIVANさんは、先ほどの衣装にシックなメガネとジャケットを合わせたスタイル、そしてはじけるような満面の笑顔でした。
来場者からは拍手と歓声、そして「カワイイ〜!」という声が飛びます。
この後すぐ他のお仕事へ向かうスケジュールのため、長くはお話出来ないのですが…とマイクを握ったIVANさんでしたが、語った言葉は時間を感じさせないほど印象深いものでした。
会場を見渡し、
「ここに立つと前回(のLGBT成人式)と同じように、なんだか、お家に帰ってきたようなあったかい気分になります。」
と語り始め、様々なセクシュアリティを持った会場の新成人に向けて、
「好きな格好、好きなしゃべり方、自分の好きなように生きていってほしいです。」
と熱いエールを送りました。
最後には深々とお辞儀をし、笑顔でステージから去って行きました。
IVANさんはこの生出演以外にも、成人式後半で流れた祝辞動画にメッセージを寄せています。この動画は、3月まで続く全国LGBT成人式でも上映される予定です。(全国開催については、2015年度LGBT成人式公式ホームページをご覧ください。)
明るく笑い、強い芯を感じさせるIVANさん。昨年度、今年度とLGBT成人式はそのパワーでさらに活気づいたように感じます。
IVANさんの活躍は、LGBTはもちろん、多くの人に勇気を与えて続けていくことでしょう。