シビルユニオンを信任投票予定
Pink News によると、イタリアの首相マッテオ・レンツィが、シビル・ユニオンの討議において信任投票(Confidence Vote)を考えていると述べました。欧州人権裁判所からイタリアにおいて同性カップルが法的権利を有していないという指摘を受け、マッテオ・レンツィ首相をトップとするイタリア政府はシビル・ユニオン法をこれまで推進してきました。確実にシビルユニオン法を通過させるために信任投票を行います。
※Confidence Vote (信任投票): 信任投票とは、対抗馬がなく、単一の候補者を信任するか信任しないかの選択肢しか与えられていない選挙を指す。
カトリックの反対
カトリック派の上院議員たちは、ゲイカップルが養子を迎えることを可能にする条項にこれまで反対してきました。レンツィ連立党の指導者の一人は、養子を迎えることに関する処置について、条項を法案から削除するべきであると述べています。このような状況でレンツィ首相は、シビル・ユニオン法の進行が遅れていることに段々イライラしてきているそうです。
彼の党は、(どうやって法案を通すかについて)戦略を決定する予定ですが、レンツィ首相は、信任投票において法案への賛成を得られなかった場合、辞任を迫られることが予想されます。レンツィ首相は、今回のシビルユニオン法は、現在存在する宗教的な結婚に対しては影響を与えないため議論のテーブルには乗らないとカトリック教会には説明をしていますが、カトリック関係で同性愛反対の人々が集まった集会でナチスと同性愛者たちが比べられるなど、嫌なことも起きています。
延期された投票
実はシビルユニオンの法案は先週、議会にて最終審議が行われる予定でしたが、政治的な争いが起き、延期されてしまったのです。ロイター通信によると、カトリック派議員たちからの強い反対のおそれがあったため延期されたそうです。カトリック派の議員たちは養子縁組の権利をゲイカップルに付与する条項をなくすべきだと主張しています。
これを受けて、政府幹事長であるルイージ・ザンダ氏はシビルユニオン法案の討議を来週まで延期するよう求めました。「(双方が納得し)整然と政治を進行させていくために、ある政治的なテーマについて考え直しともに良い方法を考える期間」とルイージ氏は述べていますが、この”期間”を置くことでどのようなことが起きるのかについては、まだ不明瞭なところがあります。レンツィ氏がもっとも重要な条項(ゲイカップルの養子に関する条項)を法案から取り消しするようにするかもしれません。法案の討議が延期されたことによって、”2016年にはシビルユニオン法の登録を開始する” という政府の公約に背いてしまっているため、政府にはより強い圧力がかけられていると見ることができます。