男性器が生えてくる”少女”
The independent が衝撃的な記事を掲載している。ドミニカ共和国にある、ある小さな村では50人に1人の子どもは少女として生まれるが、成熟するにつれて男性器が生えてくるというのだ。
“ゲヴェドース”
50人に1人の確率で生まれる子どもは「 Penis-at-12(12歳で男性器)」という意味を表す”Guevedoces(ゲヴェドース)“と呼ばれている。ゲヴェドースの子どもたちは、12歳から外見が変わり始めるのである。泌尿器科学の研究組織によると、ゲヴェドースは”Machihembras(マチエンブラ)”とも現地で呼ばれており、女性として生まれるが途中で男性になる人を表す。この”男性性と女性性を持つ”現象は、5α還元酵素という酵素の不足が原因で、生まれた時は女性ながらも成長するにつれて男性のような筋肉、睾丸、陰茎などが発達してくるのだという。さらに、このような現象はドミニカだけでなくパプアニューギニアなどの村でも発見されており、現地では「将来男性になる」という意味のある”ターニズムズ”という言葉で呼ばれているのだという。
ゲヴェドースへのイジメと受容
ドミニカ共和国でゲヴェドースとして生まれた子どもはイジメの対象となりがちだ。 上の写真にあるドミニカで暮らすジョニーは、自身の性別が変わってきたときに受けたイジメについてこう語る。
「周りの人からは、僕が悪魔だとか、気味が悪いだとか、酷いことを言われたよ。彼らはあまりにも攻撃的だったから、僕は彼らと闘うほかなかった。僕は結婚したいし、子どもも欲しいし、楽しい時も辛い時も一緒にいてくれるパートナーが欲しいと思っている。」
また現在7歳である”カーラ”という少女は、そのうち名前が「カルロス」になる。彼女の母親によると、彼女は5歳の頃から男性化していることに気づいたのだという。母親は「私は彼女が女の子だろうが男の子だろうが愛している。あの子はあの子のままよ。」と語る
ドミニカではイジメられるケースも、受容されるケースもあるが、パプアニューギニアのサンビア村の人々はゲヴェドースに対してもっと厳しい。ゲヴェドースは”欠陥のある男性”として見られ、家族や社会に拒絶され、恥ずかしい存在として見られる。ドミニカの方では、ゲヴェドースの子どもの誕生は受け入れられることが多く、男性化が始まった際にお祝いすることもあるのだという。
現代医療に活用されるメカニズム
実は、小さい睾丸を持つ傾向にあるゲヴェドースを観察した結果を使って、現代の男性向けの治療薬の開発が行われている(すべての薬ではない)。睾丸を緩やかに大きくしたり、男性によく起きるAGA(男性型脱毛症)の治療に使われる”フィナステリド”という薬は、ゲヴェドースが生まれる原因であった「5α還元酵素」の動きを抑制することで効果を出しているのだという。
画像出典:Guevedoces: The ‘girls’ who grow penises at the age of 12