トランスジェンダー女性が女性限定イベントの参加を拒否される
オーストラリアで3日間にわたって行われる女性限定のイベント「セブン・シスターズ・フェスティバル」が、トランスジェンダー女性の参加を断った。さらにそれについてFacebook上での議論を禁止したことで、波紋が広がっている。
トランスジェンダーの参加の拒否
セブン・シスターズ・フェスティバルは、3月にオーストラリアで行われるイベントで、女性たちに対して、彼らを鼓舞するための空間を提供している。
しかし、トランスジェンダーの女性の場合は、このイベントに参加できないという。ケイトリン・テレーズ・サリバンという、参加を考えていた女性が以下のような質問をした。
「このフェスティバルにはトランスジェンダーの女性も参加できますか?私には参加資格があるのかどうかわからなかったので、教えていただきたいです。私と同じことを思っている人は他にもいると思います。」
これに対し、フェスティバルの主催者はこう回答した。
「私たちはこのイベントを、女性だけの神聖な空間として宣伝しています。ですので、身体的に男性である人が参加してしまうと、ほかの女性からの信頼を失いかねません。
しかし私たちは、女性になるための手術を終えたトランスジェンダーの女性であればこのフェスティバルの参加を歓迎します。」
Facebook上での議論の禁止
この主催者側からのコメントは、イベントのファンのあいだでの議論を引き起こした。多くのイベント参加予定者から、「とてもがっかりした」という意見が寄せられた。
しかし、イベント主催側はコメントを撤回するのではなく、それらの批判を「トランスジェンダーの挑発的な運動」とみなし、今回の件についてのFacebook上での議論を禁止した。
「セブン・シスターズ・フェスティバルが始まってからずっと、インクルージョンを方針として掲げてきました。『女性』というアイデンティティは、個人にとって生きてきた経験に特有のものであると私たちは考えています。
12月13日の日曜日に、トランスジェンダーの挑発的な運動が私たちのFacebookページで始まりました。私たちは現在それを調査中です。
私たちはすべての人たちの意見を尊重し、考え方に共感しますが、罵り、煽るような言葉を見逃すことはできず、また正当性のない意見をほかの人に押し付けるような力ずくな言葉に対して寛容になることもできません。そのため私たちは、Facebookページ上の今回の件に関連するすべてのコメントを削除しています」
イベント側は、それぞれの意見を尊重してはいくものの、すぐに団体としての方針を発表する時間的余裕がないため、法的立場からの意見やイベントの支援者などの意見を聞きつつ、またトランスジェンダーコミュニティとも議論を続けていきたいと話した。