トランスジェンダーの患者、危篤状態のまま2時間治療を受けられず
パキスタンで、痛ましい事件が起こった。北部の都市・ペシャワール(Peshawar)でトランスジェンダーの活動家が銃で撃たれた。しかしそれだけではなく、病院で治療を拒否されたまま約2時間も放置され、医師や警察官などから差別を受けていたという。
活動家グループのメンバーからのコメント
1月5日、トランス・アクション・カイバル・パクトゥンクワ(Trans Action Khyber Pakhtunkhwa)というグループのメンバーで、アドナン(Adnan)と呼ばれていた人物が、何者かに襲われ、現地の病院に救急搬送されるという事件が起こった。
しかし、団体のFacebookページで投稿された主張によると、アドナンは2時間近く治療を拒否され、さらに病院のスタッフや警察官などからのトランスジェンダーを差別するような発言を浴びせられていたという。
「私たちが今日病院で受けた嫌悪や差別を表せる言葉が見つかりません。」
グループの中心メンバーはFacebookページでそのように語った。
病院で医師や警察官から受けた差別や嘲笑
カマール(Qamar)と呼ばれるグループメンバーは、The Nationの取材で、今回の事件の詳細を語っている。
「アドナンはレディ・リーディング病院に搬送されましたが、治療を断られました。
彼が血を流している間、医師や警察は私たちを笑っていました。私たちは午後9時30分に病院についていましたが、彼が治療を受けられたのは午後11時15分頃でした。その間、誰も彼の手当てをする準備をしていなかったのです。
私たちは、危篤状態の患者はまず最初に治療を受け、その後に警察は事件を捜査するという最高裁判所からの指示があるはずだとも訴えました。しかし、誰も助けようとはしなかったのです。」
襲撃事件の目撃者の証言
アドナンが何者かに襲われていた現場での目撃者は、パキスタンのThe Express Tribuneに対し、オートバイに乗った2人が、アドナンが友人らと載っていた車に発砲したと説明していた。
同メディアの記事によれば、すでに2人の容疑者は逮捕されており、この事件が発生する数ヶ月前からアドナンを脅していた罪に問われているという。