中国、同性カップルが婚姻を拒否され訴訟
GAY STAR NEWSによると、中国河南省の裁判所が、中国初の同性同士の結婚を拒否したことに対する告訴を受理したという。中国では現在、同性同士の婚姻は法的に認められていないが、今回、同性婚を求める訴訟が認められたということは、中国のLGBTコミュニティにとって重要な出来事であると評価されている。
同性パートナーとの婚姻が拒否された男性
ソン・ウェンリン(Sun Wenlin)さん(26歳)は、パートナーとの婚姻申請が断られたとして、2015年12月16日、長沙市の民事局を訴えていた。
ソンさんと彼のパートナー(36歳)は、彼らの1年記念日である6月23日に婚姻登録を行おうとしていた。しかし、担当の職員は、登録できるのは“男性と女性1人ずつ”のカップルのみであると述べ、その申請を拒否したという。
さらに、告訴したあと、地元警察までもがソンさんの家を訪ねてきたという。
「家族の名前を途絶えさせないために子供をもうけることが大切なのだということを、あの警官は強調していたが、私はほかの人に彼らの価値観を押し付けられるのに耐えられなかった。」
「婚姻法の原文では、男女1人ずつなどという記述はなく、夫と妻と書かれている。個人的には、これらの言葉は異性愛カップルだけではなくて、同性カップルにも当てはまるだろうと信じている。」
裁判所による告訴の受理が意味するもの
1月5日、芙蓉区の地方裁判所はソンさんに対し、彼の告訴状を受理するという判決を下した。中国、そして共産主義国家で同性婚についての告訴が受理されたのは本件が初めてであるという。
今回の裁判所の対応について、ニューヨークに拠点を持つHuman Rights Watchの中国研究者は、ロイター通信に対して以下のように述べている。
「中国では、裁判所が政治的にセンシティブな訴訟を拒否することは多くあります。ですから、今回の訴訟が受け入れられたということは、正式にLGBTに対しての差別の問題に取り組もうという姿勢が少なからずあることを意味します。これは嬉しいことです。」
また、告訴状が受理されたソンさんは、自身のWeibo(中国版Twitter)に
「私の家族みんな、そして友人みんなに感謝したい。私たちはこれからもおし進めていく。」
と書き込んだという。
ソンさんの家族は
ソンさんは14歳の時に自分がゲイであることに気づいた、と中国メディアに対して語った。家族に初めてカミングアウトしたときは、家族に見下されたという。
「数年間にわたり、私は両親を説得しようといろいろな方法を試しました。」
すると徐々に家族の考え方が変化し、ゆっくりとソンさんのことを受け入れられるようになっていったと彼は話す。
ソンさんが結婚の準備を進めている事を知ると、彼の母親は、
「ゲイであることを理由に、社会がどんなに彼のことを差別したとしても、私は絶対に彼の見方でいます。」
と述べ、息子のソンさんを全力でバックアップする姿勢を見せた。