ギリシャでパートナーシップ法案が可決
ギリシャでは、これまで同性カップルにはシビル・パートナーシップ法(civil partnership law)適用されてこなかった。その法律の改正についての投票が12月22日、ギリシャ議会において行われ、同性カップルもパートナーシップ法で法的に認知される結果となった。
シビル・パートナーシップ法の改正
2008年に制定されたギリシャのはシビル・パートナーシップ法は、同性カップルのパートナーシップを禁止していた。しかし、2013年にパートナーシップ制度が同性カップルに適用されていないことについて、ギリシャは欧州人権裁判所から制裁を受けていた。
今回、多数派を占める左翼政党の急進左派連合シリーザ(Syriza)によって提出された改正案は、300議席中193の賛成票をもって可決された。これにより、同性間のパートナーシップも法的に認知されることとなった。
チプラス首相の支持
ギリシャのチプラス首相もこの法案を強く支持している。現在、ギリシャ政府の一番の課題は財政危機であるが、彼はこれまでもLGBTの権利を長期にわたってサポートしてきた。彼は、この法案が可決されたことにより、「国にとっての恥のサイクル」を断ち切ることに繋げていければ、と話した。
Proto Themaによると、彼は以下のように語っている。
「同性カップルのシビル・パートナーシップを法制化させることで、ギリシャという国の後進性や恥のサイクルの終結へと向かっていく。
そのサイクルの一つが市民の多くを否定し、排斥してきたことであり、彼らはパートナーを一緒に生活し、基本的人権を享受することができなかったのだ。」
また彼は議員に対して、この改正案の可決を祝福とみなすべきではなく、むしろ人権がこれまで認められてこなかった人に対しての謝罪であるのだと話したという。
さらに、彼は
「この法案はもっと早くに可決されるべきだった。」
とも述べていた。
周囲からの喜びのコメント
ヨーロッパでは、このギリシャの動きをたたえている様子がうかがえる。
全ヨーロッパ諸国のLGBT団体であるILGA-Europeのジョイス・ハミルトン(Joyce Hamilton)氏は以下のようにコメントした。
「今回、数年間にわたって言われてきた政治上の公約が実現されました。
これまでギリシャ政府が同性カップルを法的に認知しようと繰り返し話題にあげ、そしてそれらの前向きな言葉が、最終的にギリシャに住むカップルにとって大きな意味を持つ変化へとつながっていく様子を目にすることができて、私は感激しています。」
画像出典:Yiorgos GR / Shutterstock.com